IOL(眼内レンズ)
あいおーえる
白内障手術で取り除いた水晶体の代わりに眼内へ挿入する人工のレンズ。素材はアクリル樹脂やシリコーンが主流で、形状によって単焦点・多焦点・トーリックなどに分類されます。
白内障の症状や治療を理解するうえでよく使われる用語を、五十音順にわかりやすく解説しています。
眼内レンズ・水晶体・後発白内障・選定療養など、診察や手術前の説明で耳にする専門用語の意味を、医師の監修のもと整理しました。
白内障に関連する用語85語を、解剖・症状・検査・手術・眼内レンズ・合併症・制度の各カテゴリから幅広く解説しています。診察や手術前の説明で耳にする専門用語の意味を、医師の監修のもと整理しました。
あいおーえる
白内障手術で取り除いた水晶体の代わりに眼内へ挿入する人工のレンズ。素材はアクリル樹脂やシリコーンが主流で、形状によって単焦点・多焦点・トーリックなどに分類されます。
あくりるれんず
現在最も多く使われている眼内レンズの素材。柔軟性があり折りたたんで小さな切開創から挿入できるため、傷を小さく保てます。長期安定性にも優れます。
あとぴーせいはくないしょう
アトピー性皮膚炎に伴って発症する白内障。顔のかゆみによる擦過刺激や、長期のステロイド使用が要因とされ、若年でも発症する可能性があります。
いーしーしーいー
水晶体核を一塊で取り出し、後嚢を残す古典的な白内障手術法。現在は超音波乳化吸引術が主流ですが、核が極端に硬いケースなどでは選択されます。
あいしーしーいー
水晶体を嚢ごと取り出す古い術式。眼内レンズの嚢内固定ができないため、現代の標準治療では用いられません。
いーえるぴー
眼内レンズが術後に最終的に固定される位置の指標。度数計算式の精度に大きく影響するため、術前検査の段階で慎重に予測されます。
いーしーでぃー
角膜の最も内側にある内皮細胞の密度。減少すると角膜浮腫の原因になり、極端に少ない場合は手術リスクの判断材料となります。
いーどふ
遠方から中間距離まで連続的にピントが合う設計の眼内レンズ。従来の多焦点レンズに比べハロー・グレアが少なめとされ、夜間運転をする方の選択肢として注目されています。
おーしーてぃー
近赤外光の干渉を利用して網膜・黄斑・視神経を断層画像化する検査機器。白内障以外の眼底疾患(黄斑前膜・浮腫など)の有無を確認するために術前に使用されます。
えーもーどちょうおんぱけんさ
超音波で眼軸長(眼球の前後の長さ)を測定する検査。眼内レンズの度数計算に欠かせず、近年は光学式のIOLマスターと併用されます。
おうはん
網膜の中心にある視力を司る最も大切な部位。白内障手術で改善が期待できるのは水晶体由来の濁りのみで、黄斑に病変があると視力改善が限定的になります。
おうはんふしゅ
黄斑部に水分がたまり浮腫を生じる状態。白内障術後にも発生することがあり(嚢胞様黄斑浮腫=CME)、抗炎症点眼で治療します。
かくまく
眼球の最前面にある透明な膜で、光を屈折させる主要なレンズ。白内障手術ではここに小切開を作り器具を挿入します。
かくまくないひさいぼうけんさ
角膜の内側を覆う細胞の数や形状を撮影・計測する検査。手術により減少する可能性があるため、術前の状態確認で安全な手術計画を立てます。
かくまくけいじょうかいせき
角膜のカーブや乱視の度合いを精密に測定する検査。トーリック眼内レンズの軸決定や多焦点レンズの適応判定に必須です。
かくまくふしゅ
角膜に水分が溜まり、視界が白く曇った状態。白内障手術直後に一時的に起こることがあり、多くは数日〜数週間で改善します。
かくはくないしょう
水晶体の中心部(核)が黄褐色〜茶褐色に変色するタイプの白内障。近視化が進み、近くは見えやすくなる一方、遠方視力が低下します。
かれいせいはくないしょう
加齢により水晶体のたんぱく質が変性して濁る、最も一般的な白内障。50代から徐々に増え、80代ではほぼ全員に何らかの所見がみられます。
のうないこてい
水晶体嚢(袋)を残し、その中に眼内レンズを固定する方法。最も安定した固定法で、現代の標準術式です。
のうほうようおうはんふしゅ
白内障術後に黄斑部が浮腫を起こす合併症。視力低下や物が歪んで見える症状が出ますが、抗炎症点眼で多くは改善します。
きょうまく
眼球の白目部分を構成する硬い膜。眼球の形を保つ役割を担います。強膜内固定IOLでは、ここに眼内レンズを固定します。
きゅうごますい
眼球の後方に麻酔薬を注射する方法。点眼麻酔よりも強力で、長時間の手術や複雑な症例で使われますが、現代の白内障手術では点眼麻酔が中心です。
きんし
遠くがぼやけて見える屈折異常。眼内レンズの度数選定で、術後にどの距離を見やすくするかを調整できます。
くりぷとんしきそ
黄斑部に存在する色素のひとつ。光から黄斑を保護する働きを持ち、ルテイン・ゼアキサンチンと共に抗酸化作用が研究されています。
もうようたい
水晶体の周囲にあり、毛様小帯(チン小帯)を介して水晶体の厚みを変えてピント合わせを担う組織。房水の産生も行います。
けつまく
眼球の白目部分とまぶたの裏を覆う透明な薄い膜。手術器具のアプローチ経路となります。
けんこうほけんてきよう
白内障手術の標準的な術式(超音波乳化吸引術+単焦点眼内レンズ)は健康保険が適用されます。多焦点レンズを希望する場合は選定療養になります。
こうかがたかくはくないしょう
水晶体の核が極端に硬くなった進行型の白内障。超音波乳化吸引術での処理に時間がかかり、合併症リスクが高まるため早期手術が望ましいとされます。
こうがくりょうようひせいど
1ヶ月間の医療費が自己負担限度額を超えた場合に超過分が払い戻される公的医療保険の制度。白内障手術にも適用されます。
こうはつはくないしょう
白内障手術後、数ヶ月〜数年経って残された水晶体嚢が再び濁る現象。YAGレーザーで嚢に小さな穴を開けることで、短時間に視力が回復します。
こうのう
水晶体を包む袋(水晶体嚢)の後ろ側。手術ではここを残し、眼内レンズを安定して支える土台とします。
こうのうはそん
手術中に後嚢が破れる合併症。発生時には硝子体脱出のリスクがあり、対応する手技が必要となります。経験豊富な術者では発生率が低く保たれます。
こんとらすとかんど
明暗の境を識別する能力。多焦点眼内レンズでは光が分散するため、薄暗い場所でのコントラスト感度が単焦点に比べやや低下することがあります。
さいげきとうけんびきょうけんさ
細い光を斜めから当てて、水晶体や角膜の濁り・傷を立体的に観察する基本検査。白内障診断の中心となります。
しりょくけんさ
矯正視力と裸眼視力を測定する基本検査。白内障の進行度や手術の効果を時系列で比較する指標となります。
ししんけい
網膜で受け取った光の信号を脳に伝える神経。緑内障による視神経障害があると、白内障手術後の視力改善が限定される場合があります。
しやけんさ
見える範囲(視野)の広さや欠損を調べる検査。緑内障の合併診断に必須。白内障による濁りで視野感度が下がっていることもあります。
くっせつけんさ
光が眼内でどれだけ屈折するかを測定する検査。近視・遠視・乱視の度数を把握し、眼内レンズの度数計算に活用します。
くっせつきょうせいしゅじゅつ
近視・遠視・乱視を改善する手術の総称。LASIK・ICL・水晶体置換術などがあり、白内障手術と組み合わせて行われることもあります。
しょうしたい
眼球の内部を満たすゼリー状の組織。手術中に硝子体が前方に出てしまう「硝子体脱出」が起こると、合併症リスクが高まります。
しりこーんれんず
眼内レンズの素材のひとつ。アクリル樹脂と並ぶ歴史ある素材ですが、現在ではアクリル樹脂がより多く使われています。
しのうくんれんし
眼科検査と斜視・弱視の訓練を行う国家資格者。白内障診療では各種検査の実施や、術後のリハビリ指導を担当します。
どうこう
光が眼内に入る入口となる黒い部分。手術前は散瞳剤で十分に開かせ、水晶体への視野を確保します。
すいしょうたい
瞳孔の奥にある透明な凸レンズ状の組織。ピント合わせを担い、加齢などで濁ると白内障となります。
すいしょうたいのう
水晶体を包む薄い袋状の膜。白内障手術では中身(核と皮質)のみを取り除き、この袋を残して眼内レンズの収納場所とします。
せんていりょうよう
保険診療と保険外診療を組み合わせて受けられる制度。白内障手術では多焦点眼内レンズを使用する場合に適用され、レンズの差額分のみが自費となります。
せんしんいりょう
厚生労働大臣が認める高度な医療技術。多焦点眼内レンズは2020年以降選定療養に移行しましたが、民間医療保険の特約対象として旧来制度の名称が残ります。
ぜんのうせっかい
水晶体を包む膜(前嚢)を円形に切開する手技。連続円形切嚢(CCC)が標準で、眼内レンズを安定固定する重要なステップです。
すてろいどせいはくないしょう
ステロイド薬の長期使用が原因で発症する白内障。後嚢下に濁りが出やすく、内服・点眼・吸入いずれの経路でも起こりえます。
さんどうざい
瞳孔を広げる目薬。眼底検査や白内障手術の前に使用し、まぶしさが数時間続くため自分での運転は避けます。
たしょうてんがんないれんず
遠方・中間・近方など複数距離にピントを合わせられる眼内レンズ。眼鏡依存度を減らせる一方、ハロー・グレアやコントラスト感度低下が起こることがあります。
たんしょうてんがんないれんず
1つの距離にのみピントが合う眼内レンズ。健康保険が適用され、夜間でも見え方が安定するのが特長です。
ちょうおんぱにゅうかきゅういんじゅつ
現在の白内障手術の標準法。約2〜3mmの小切開から超音波プローブで水晶体を砕いて吸引します。
ちんしょうたい
毛様体と水晶体嚢をつなぎ、水晶体を吊り下げる繊維束。加齢で脆くなると、手術中に水晶体の固定が難しくなることがあります。
ちゅうしんあんてん
視野の中心部分が見えなくなる症状。黄斑疾患などで発生し、白内障手術では改善しません。原因疾患の鑑別が大切です。
でふぉーかすきょくせん
眼内レンズが各距離でどれだけ視力を確保できるかを示すグラフ。多焦点レンズの設計を比較する際の重要な指標です。
てんがんますい
目薬タイプの麻酔。現代の白内障手術ではこれが主流で、注射の痛みがなく短時間で効果が現れます。
てのんのうかますい
テノン嚢という結膜下の組織内に麻酔薬を入れる方法。点眼麻酔より長く効くため、複雑な症例で選択されます。
とうにょうびょうせいはくないしょう
高血糖が長期間続くことで発症する白内障。若年でも進行し、糖尿病網膜症など他の眼合併症も併発しやすいため早期治療が大切です。
とうにょうびょうもうまくしょう
糖尿病による網膜の血管障害。白内障と合併すると術後視力の改善が限定的なため、術前に黄斑の状態確認が必要です。
とーりっくがんないれんず
乱視矯正機能を備えた眼内レンズ。単焦点・多焦点それぞれにトーリックタイプがあり、術前の角膜乱視を矯正できます。
どらいあい
涙液の量や質が低下し、眼の表面が乾燥する状態。白内障術後に一時的に増悪することがあり、人工涙液で対応します。
ないひさいぼうすう
角膜内皮細胞の総数。年齢とともに自然減少しますが、手術により一時的に大きく減ることがあるため、術前の評価が重要です。
にじてきはくないしょう
他の眼疾患(ぶどう膜炎、網膜剥離手術後など)に続発して発症する白内障の総称。原因疾患の管理と並行して治療します。
にゅうか
超音波で水晶体を細かく砕いて液状化する手技。砕かれた水晶体は同時に吸引除去されます。
はめんしゅうさかいせきそうち
眼全体の屈折異常(高次収差含む)を高精度に測定する機器。多焦点レンズの選定や乱視矯正の精度向上に役立ちます。
はろー・ぐれあ
光源の周りに輪が見える(ハロー)、光がにじんでまぶしく感じる(グレア)現象。多焦点眼内レンズ装用後の夜間運転時などに自覚することがありますが、多くは数ヶ月で慣れていきます。
はくないしょう
水晶体が濁ることで視力が低下したり、見え方に違和感が出たりする病気。最も多いのは加齢によるもの(加齢性白内障)です。
ひしつはくないしょう
水晶体の外側(皮質)が車輪のスポーク状に白く濁るタイプ。加齢性白内障で最も多くみられ、まぶしさやにじみが特徴です。
ふぁこ・ちょっぷ
超音波乳化吸引術における核分割の代表的手技。核を効率よく砕き、超音波エネルギーの使用量を抑えることで安全性を高めます。
ふぇむとせかんどれーざーはくないしょうしゅじゅつ
前嚢切開や水晶体分割をレーザーで行う手術法。手技の精度が高い反面、対応施設は限られ、自費診療となる場合があります。
ぴーえむでぃーえー
医薬品や医療機器の承認審査・安全対策を担う独立行政法人。眼内レンズの国内承認情報はPMDAで公表されています。
ぴーいーえっくす
水晶体表面や瞳孔縁に細かいフケ状のたんぱく質沈着がみられる加齢性疾患。手術中の合併症リスクが上昇するため、術前評価で重要視されます。
ほけんてきよう
公的医療保険による費用負担の軽減。白内障手術は標準術式が保険適用で、自己負担は1〜3割となります。
ぶどうまくえん
眼球内部の血管が豊富な組織(ぶどう膜)の炎症。慢性化すると白内障の合併リスクが高まります。
ぼうすい
眼球内を満たす透明な液体。栄養や老廃物の輸送に関わり、眼圧の維持にも重要な役割を果たします。
まいぼーむせん
まぶたの縁にある脂質を分泌する腺。機能が低下すると涙液の安定性が落ちてドライアイの原因になります。
おうはん
網膜中央の視機能を司る重要な領域。手術前後の検査で状態を必ず確認します。
めんきょこうしん
両眼0.7・片眼0.3などの視力基準を満たす必要があります。白内障で基準を満たせない場合、診断書発行で半年の更新猶予を受けられる制度があります。
もうようたい
水晶体の周囲にあり、毛様小帯(チン小帯)を介して水晶体の厚みを変えてピントを合わせる組織。房水の産生も担います。
やぐれーざー
後発白内障の治療に用いるレーザー機器。濁った後嚢に小さな穴を開けて視力を回復させます。痛みはほぼなく、外来で数分で完了します。
るていん
黄斑部や水晶体に蓄積する黄色色素。抗酸化作用により目の老化予防に関与し、緑黄色野菜の摂取やサプリメントで補うことが推奨されます。
ぜあきさんちん
ルテインと並んで黄斑に存在する色素。ブルーライトから網膜を守る働きがあるとされ、黄色野菜やパプリカなどに含まれます。
らんし
角膜や水晶体のカーブが方向によって異なり、ピントが一点に合わない状態。トーリック眼内レンズで矯正できます。
ろうがん
加齢により水晶体の弾力が低下し、近くが見えにくくなる現象。白内障手術で多焦点レンズを選ぶと、老眼鏡への依存を減らせる可能性があります。
本用語集について
本ページの解説文はすべて当サイト編集部が独自に書き起こし、監修医師の確認を経て掲載しています。より厳密な医学的定義については、日本眼科学会など各学会の公式用語集も併せてご参照ください。