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白内障手術の流れと方法

白内障手術は、濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズを挿入する手術です。日帰りで行われることが多く、10〜20分程度で終わる比較的安全な手術です。ここでは手術の詳しい流れや種類、術後の経過について解説します。

白内障手術室の最新設備

手術の流れ

白内障手術は日帰りで行われることが多く、実際の手術時間は10〜20分程度です。術前検査から術後のケアまでの流れをご紹介します。

手術の流れを説明する医師
1

術前検査・説明

手術1〜2週間前

詳細な眼の検査を行い、眼内レンズの度数を決定します。手術内容やリスクについて説明を受け、同意書にサインします。

2

手術当日の準備

来院〜手術直前

瞳孔を広げる点眼薬を投与し、必要に応じて血圧測定などを行います。リラックスして手術に臨めるよう準備します。

3

麻酔

手術開始時

点眼麻酔(目薬タイプ)で麻酔をかけます。痛みはほとんど感じませんが、軽い圧迫感があることがあります。

4

水晶体の除去

約5〜10分

約2〜3mmの小さな切開を行い、超音波で濁った水晶体を砕いて吸引除去します(超音波乳化吸引術)。

5

眼内レンズの挿入

約2〜3分

折りたたんだ眼内レンズを切開口から挿入し、水晶体嚢内で展開・固定します。

6

術後休憩・帰宅

手術後30分〜1時間

手術後は安静にして眼帯を装着します。問題がなければ当日帰宅できます。

手術の種類

白内障手術には主に2つの方法があります。どちらも安全性の高い手術ですが、それぞれ特徴があります。

超音波乳化吸引術(PEA)

超音波乳化吸引術(PEA)

標準的な方法

最も一般的な白内障手術法です。約2〜3mmの小さな切開口から超音波プローブを挿入し、水晶体を乳化(砕いて)吸引します。

メリット

  • 切開が小さく傷の回復が早い
  • 縫合不要のことが多い
  • 術後の乱視が少ない
  • 短時間で終わる
フェムトセカンドレーザー白内障手術

フェムトセカンドレーザー白内障手術

先進医療

フェムトセカンドレーザーを使用して、切開・前嚢切開・水晶体の分割を高精度で行います。より正確で再現性の高い手術が可能です。

メリット

  • コンピュータ制御による高精度
  • 切開が正確で安定
  • 乱視矯正に有利
  • 多焦点レンズとの相性が良い

術後の経過

白内障手術後は、点眼薬による治療と定期的な診察が必要です。多くの方が翌日から視力の改善を実感されますが、完全に安定するまで1〜3ヶ月程度かかります。

術後の診察を受ける患者
手術当日

眼帯を装着して帰宅します。目を触らない、水が入らないように注意してください。処方された点眼薬を開始します。

翌日

眼帯を外して診察を受けます。多くの方がこの時点で視力の改善を実感されます。日常生活はほぼ普通に送れます。

1週間後

経過観察の診察があります。洗顔・洗髪が可能になることが多いです。軽い運動も再開できます。

1ヶ月後

視力が安定してきます。眼鏡が必要な場合は、この頃に処方されることが多いです。

3ヶ月後

最終的な視力が確定します。点眼薬も終了することが多く、通常の生活に完全に戻れます。

リスク・合併症

白内障手術は安全性の高い手術ですが、すべての手術にはリスクがあります

後発白内障

発生率: 約20〜30%

手術後数ヶ月〜数年後に、残した水晶体嚢が濁ることがあります。レーザー治療(YAGレーザー後嚢切開術)で簡単に治療できます。

眼内感染症(眼内炎)

発生率: 約0.05%以下

非常にまれですが、重篤な合併症です。術後の点眼薬と清潔な管理で予防します。異常を感じたらすぐに受診してください。

黄斑浮腫

発生率: 約1〜2%

網膜の中心部(黄斑)にむくみが生じることがあります。多くは点眼薬で改善しますが、治療に時間がかかることがあります。

眼圧上昇

発生率: 一時的なもの

術後一時的に眼圧が上昇することがありますが、通常は点眼薬で管理できます。

大切なこと:白内障手術は年間約160万件行われている、最も一般的な眼科手術の一つです。合併症の発生率は非常に低く、多くの場合は適切に対処できます。不安なことがあれば、担当医に相談しましょう。